第73章 魂の宴　食べて飲んで　話して

櫻井視点

「せっかくの『宴』だから、楽しもう！！潤もコレ食べてみろよ」
潤に皿と箸と一緒に差し出すと潤が素直に受け取る。

　受け取った皿を見ている潤に「甘くておいしい」と、ニコニコ顔の智くんが進めている。

（ふふ　美味しかったもんね🎶

　この芋をみんなの共通認識にしたいから、分けましょうねぇ🎶

　雅紀は、自分で食べるだろうから…）
「ほら。和也の分だよ。渡して！」
雅紀にまず　和也の分を渡す。

Ａ「うん　ありがとう！」
　皿を持った雅紀は、ピョンピョンと足取り軽く和也の方に行く。

「あ！箸持ったのか？　って　もう…ま、取りに来るか…」


Ｏ「うまいだろ？」
　芋を指さして笑う智くんと、うんうんと頭を動かす潤。

（ほら！俺ら好みなんだよ！）「この甘さが最高だよな🎶」
二人に近づく。

「でも、サツマイモじゃねーんだよね　これ」（色もグレーだし）
パクっと口に入れる。

（美味しいけど…ホクホク感ないし、強いて言えばもっちりかな…）
口の中の芋を味わう。


Ｍ「里芋だと思うよ？」
　口を少し動かしながら呟く潤。

「あー里芋ね
（潰して、形成したってことか？　あぁ…ここぉ）
　ハワイだから『タロ芋』って呼ぶべきかな？」


Ｍ「俺たちの口に合う様に用意しくれていると　思うし」

（確かに、どれも、美味しいし、精霊様たちが用意したものにしては、現代的な物も…）

視線を感じる方を向くと、潤が箸をカチカチしていた。

（直箸いいか？かな？いいと思うよ？）
小さくうなずくと、潤は嬉しそうに、料理を選ぶ。


Ｏ「どっちも　同じ芋だろ？」
　智くんがボソッと言う。

（里芋とタロ芋の事だよね？）
「分類はね」
だから、ボソッと返事した。


少しだけ間がある。

（あれ？この間はなんだ？）

　智くんが、小さく息を吐いて、肩を落とす。

（智くんの欲しい情報じゃなかった？　足らなかった？）

「タロ芋はね…」


Ｏ「美味しい物は『美味しい』でいいじゃん！」
　急に、おどけた声をあげて、料理の方に顔を向けた。

（ああぁぁ　智くんがまた、心に隠したぁぁ）



「さ、智くん！　コレとか美味しいよ！！」
側にあったサラダの盛り合わせを器ごと差し出す。

Ｏ「ふふ」
　笑顔で返してくれる智くん。


（あなたのその笑顔は信用できないのよぉぉ）