第71章 魂の宴

相葉視点

Ｓ「そうだね」
　翔ちゃんが返事をくれた。

（わーい　翔ちゃん大好き！！）

Ｓ「このスパーリングワインは、きっと人界にある果物じゃないかもな…」
　残っているお酒をグビっと飲み干すテーブルに置く翔ちゃん。

　空になってたグラスのお酒が満ちてくる。


（宴用のグラス　最高！！）



「美味しいシャンパンだね♡」
一気に飲み干して翔ちゃんにニカッと笑う。


Ｓ「雅紀。これはシャンパンじゃないぞ？」
　翔ちゃんが、俺の持っているグラスを指さす。


「え？そうなの？」
グラスを確認する。

　クラスの中身を確認する。


液体は透明の黄色？金色？の液体の中を規則的な泡が出ている。


Ｓ「シャンパンは、フランス・シャンパーニュ地方で造られる」
　翔ちゃんが学校の先生みたいにスラスラ説明をし始める。

（あー　もしかして　カズと潤ちゃんが間を取っていたのって…


　どうしよう…このまま、講義が続いたら、宴にならない…

　大ちゃん。助けて！！）

口が動くとカズや潤ちゃんにバレるから、グラスを口に近ける。

Ｓ「葡萄品種の『シャルドネ』『ピノ・ノワール』『ピノ・ムニエ』の3種類からブレントして造られるスパーリングワインのこと！」
　翔ちゃんの知識が溢れている。


（あれ？　ちっとも　大ちゃんからの助け舟が来ない…）

そっと、大ちゃんの方を向くと、小人の精霊と話をしていた。


（ダメだ…自力で何とかしないと…）

Ｎ「翔さん？」
　カズが翔ちゃんに声を掛ける。

Ｎ「ここでそれ要ります？」
　豪快に食事を楽しむ精霊様の方を指さした。


（わ！カズが助けてくれた！！）


翔ちゃんが困った顔して「いや、間違いは早めに訂正して思っちゃって、癖って怖いね　ごめんね？」って俺に謝る。


「ううん　勉強になったよ　ありがとう翔ちゃん！！」


Ｓ「ホント？良かった　また何かわかんない事あったら聞いて？調べとくから…」
　口を尖がらして言う翔ちゃん。

「うん。うん。お知らせする」
とりあえず、この場はこれで、何とかしようと手を振って翔ちゃんにアピールする。


　はーっと小さくため息をする大ちゃんが横目で見えた。


（あ…大ちゃんにあんな顔させちゃった…

　ごめんね…俺　うまく場をおさめれない…）