第62章 それぞれの　力を持って

大野視点

Ａ「大ちゃん！」
　相葉ちゃんが抱き付いてきた。

「わ！」

Ａ「せっかくの宴に行くのに？そんな顔しないでぇ」
　頬をグリグリ擦り付ける相葉ちゃん。

「わぁゎぁぁ　あぶねぇって」
足元の雲から足がズレる。　

Ｍ「相葉くん　そんなにグリグリするとリーダーが落ちるよぉ」
　松潤の注意が聞こえる。　

「あ！」
バランスが崩れる。

グイッと引っ張られて、また足に雲を感じた。

（あれ　雲？大きくなった？）

体勢を確認する。

腕をしっかり翔くんが俺を支えてくれている。
落ちそうになった足は、翔くんの雲の上に乗っていた。

（翔ちゃん！サンキュー！！）
「もう　相葉ちゃん　力加減してよ。危ないじゃん」
相葉ちゃんに文句を言う。


Ｎ「まったくです」
　相葉くんの肩に手を置いているニノが鬼神のような顔になっている。　

Ａ「ひゃひゃ　ごめんねぇ？」
　一人だけ笑って乗っている雲で、両手を合わせて謝りながら宙返りをした相葉ちゃん。

Ｎ「あぶねーだろ！！」
　声を荒げるニノ。

Ａ「大丈夫だよ？」
　ニコニコしている相葉ちゃん。

（その　行動　松潤に怒られるパターンだよ？）

Ｍ「なー　ここで、雲から落ちるって、意味解ってる？」
　静かな口調が一番怖い松潤。


（ふふ　素朴な質問攻撃だよ…）


　翔くんが覗き込んできた。

（翔くん？）

　大きな目がおいらを凝視してる。

「ふふ」
見つめられるから、笑ってしまった。

　大きな目が不安というか困惑な目に変わる。

（もう　その目　かわいい♡）


Ｎ「『だって』じゃねぇ！」
　ニノの大声が聞こえる。

Ｎ「時間軸が安定していない『ココ』で『メネフネの導き』がない『人の魂』はドコに流されるか！分かっているのか！」
　ものすごい剣幕でまくし立てるニノ

Ａ「ぁぁ　ぅん…」
　両手の人差し指をクルクル回してシュンと下を向く相葉ちゃん。


Ｓ「ああ　和也の感情の塞きがはずれたねぇ」
　翔くんが俺の躰を支えながら言う。

「そうだね…」
翔くんの雲の上から自分の雲に戻れるのに、戻らず、相葉ちゃんとニノの行動を見ている。


Ａ「そんなに怒らないでよぉ」
　泣きそうな声でニノに言い返そうとする相葉ちゃん。

Ｎ「おまえがバカな事しなけりゃ…」
　感情がおさまらないニノ。