第56章 ちょっと　寄り道

相葉視点

｛aoたちだよ｝
雲の上に座っている精霊を紹介してくれる小人。


（アオ？　ああ　この子たちの名前だね）


｛下界に“おみ足”を下せません〝嵐〟さま方の踏み場として、参上しました｝
雲の上にいた霊が深々と頭を下げる。


（踏み場？）
急に足まわりに白い雲が集まって来る。

足元がしっかりしたような気がする。

（虹の橋より硬いのかな？）

少し足踏みすると、もっと硬くなる。
何気に、体の重心を変えると動き出した。

（おう♪スケボーみたい！）

足に腰にと　意識をしながらみんなの周りをクルクル回ってみた。

（うん。横も動くから　これは　台車だな！！）


「行きたい方に体を揺らすと　勝手に進むから便利！！」

（楽しいぃ！！）


Ｍ「この雲　欲しいなぁ」
　雲を動かしながらガン見している潤ちゃん。

Ｎ「これは無理っぽいよぉ
　　ワイヤーもなく　どうやって浮かすのさ！
　『精霊の力です』なんて言っても誰も信じない。
　　下手すると俺ら、かなりのヤバい人になるよ？」
　潤ちゃんの雲を見ながら話すカズ。

　潤ちゃんの口が『ムー』っとなる。

　その顔を見て、次の言葉を考えているカズ。


（二人がコンサートの会議中の顔になってるぅ）
雲を滑らして、二人から離れる。

（二人があーなると、近づかないほうが良い…）


Ｏ「メネフネ　おいら達それぞれの所に移動するから、ここで≪待ってて≫」
　大ちゃんが小人たちに手を振る。

｛かしこまりました　いってらっしゃいませ｝
先導役の小人が頭をさげた。


（あ！リーダーの所にいましょぅお♬）


　翔ちゃんがゆっくり雲の上で静止する。

Ｏ「じゃ！みんな　自分とこ行こうか！　んぅ？　なんか変だね？」
　腕を組んだ状態で雲の上に立つ大ちゃん。


「でも　それしか言いようがないよね？」
大ちゃんの側に滑って言う。

Ｍ「だね！」
　潤ちゃんもステップを踏むような動きでみんなの周りを飛んでいる。


Ｍ「クカニロコでの自分がどんな状況だったのか
　　わかんないから　ちょっと　楽しみ！」
　ウキウキが溢れている潤ちゃん。

Ｎ「そうですね　自分たちの行動を客観的に見る珍しい体験です」
　ジュゲムのような格好のカズが笑っている。

（なにも投げないでね？）