第53章 兄ズ 弟たちを見守る
大野視点
翔くんが『本当?』みたいな顔でおいらの顔を見ている。
M「はぁ?」
松潤の驚いた声が聞こえた。
(なんだ?)
N「ほら。もうさ、俺ら付き合いも長いし…
『人』としての俺らはコンサートの度に『五人で居ること』を喜んでくれるファンの人たちを証人にして、誓いあってるじゃん?」
M「ああ…ま~確かに…人前(じんぜん)的なことだよね…」
(付き合いが長い? ん? なにを誓うの?)
意味を確認してようと、ニノの方を見ると、おいらの顔を見てニノがニヤッと笑った。
(うっ! 何かの布石だな!おいらを標的にするな!!)
N「だってね そろそろねぇ~」
猫なで声のニノ。
M「そう!男のケジメ!だなぁ」
松潤がニヤニヤ笑いながら言う。
A「意味わかんないよ?ちゃんと説明して!!」
相葉ちゃんが口を尖がらして強めに言う。
N「いいですか?今後の嵐の話をしているの♪」
ニノがニコニコ顔で相葉ちゃんに説明しだした。
A「はぁ?なに?どう言う事?」
相葉ちゃんは頭に?を出しながら松潤とニノを交互に見ている。
(おいらに……は…無いようだね?)
N「誓いあってるじゃん?」
ニノが相葉ちゃんに説明を続けている。
A「『俺たち嵐』って?」
少し腕を動かす相葉ちゃん。
N「そう。
だから『人』の俺たちは『人前式』で『嵐』なってるの!」
ものすごく必死な顔で説明してるニノ。
(そんなに 必死にならなくても 最初から遊ばずに言えばいいのに…
ね! 翔ちゃん!)
翔くんの方を向く。
S「今日は本当に一緒にいたなぁ」
歩きながら、空を見上げる翔くん。
(翔ちゃん…なに思い出したの?)
翔くんの表情に注意しながら三人の話も聞いている。
A「宴で?」
少し不安そうに声の雅紀。
N「つ・な・が・り!」
どや顔の和也。
翔くんの眉がピクッと動く。
(あ!)
翔くんがニノの手を引く。
(ニノが気になる?)
ジーッと翔くんを見つめていると、翔くんと目が合った。
一瞬泣きそうな顔をした翔くんが下を向く。
(え?
あぁ また一人で感情を内に押し込もうとしてる…
どうしてさ…
おいらが…おいら達がいるじゃんかよ)