第45章 五人で歩く道…
二宮視点
O「じゃ!みんなで 手を繋いでいこう!!」
嬉しそうな大野さんが勢い良く立ち上がって叫ぶ。
当然 翔さんの手を繋いでいる。
(生き返ったみたいですね♪
今まで、どんな回復魔法も受け付けないような顔してたのに…
翔さんの〝温もり〟は特別なんでしょう…)
A「いいね!」
太陽のような笑顔を頭の上で輝いている。
(その感覚わかります…)
A「潤ちゃんは俺と繋いで!!」
マー君が潤くんの腕を強引に掴む。
M「なぜ?俺が…」
潤くんが文句を言いたそうな顔をしている。
(潤くん…ここは…)
大野さんがジーッと潤くんを見ている。
(ほら…)
『はいはい』という顔でマー君と手を繋ぐ潤くん。
O「さぁー!」
大野さんとマー君が顔を見合わせて笑う。
A「よーし!」
マー君が両手を上げる。
俺と潤くんも手が上がる。
O「レッツゴー♡」
片手を突き上げる大野さん。
A「ゴー!」
S「オーー」
翔さんがそのテンションに合わせて声を上げた。
翔さんの声を聞いて笑い合う二人が、テンションを上げる。
俺と潤くんは引っ張られうような形で歩きだした。
潤くんが俺を見ている。
「なぁに?俺とぉ?手を繋ぎたいの?」
潤くんの顔を見てニヤッと笑う。
M「な!わけないだろ!」
ちょっと頬を膨れる潤くん。
(分かってますよ。
どうせ 俺のこの手が羨ましいんでしょ?)
意識は完全に大野さんに行ってしまった翔さんの手をチラッと見る。
(こうやって、五人でいつまでも一緒にいたいよね
ちゃんと捕まえておかないと また 自分を失って…)
横を歩く皆の顔や繋いだ手を見ていると、思い出したくない過去の記憶が、わき出てくる。
(どんなに、過酷な道でも、生きて…一緒に進める道を…
俺は、選ぶ…)