第43章 秘密の中庭　五人そろった

松本視点

｛潤さま♪｝

　モモが東屋の外を見て嬉しそうな声を出す。

モモの声が指している方に意識を向けると、翔くん達の匂いがした。


「あ！来た！！」
モモもリーダーも置いて、東屋を出る。


（翔くんが笑っている！！）

嬉しくて駆けだすと「ならいいですよぉ」と超ご機嫌なニノの声が聞こえてきた。


（おぉ！機嫌いいね♪）

俺も気分よく近づいて行ったけど、近づいて始まて分かった。


衝撃的な光景


　楽しそうに手を繋いでいる三人。
父さんと母さんと子供が〝おでかけ〟に行くかのような風景


（おい！何してるんだよ！！）
心の中で叫んでから、三人の方に近づく。


Ｎ「おぉ～またっせぇ～」
　両手を上げるニノ

手を繋いでいるから、相葉くんと翔くんも手が上がる。


（俺たち嵐じゃん…）


　翔くんが少し驚いた顔をしたけど、笑っている。


（なんか！ずるい！！）

「なぜに？両手に花状態なわけ？」
心のザワザワを抑えながら、ニノに心を悟られないように、言葉を選ぶ。


Ｎ「いいでしょうぉ♪」
　ニノがワザと見せびらかすように、相葉くんと翔くんを自分の方に惹き寄せる。


Ｓ「おっと」
Ａ「おっとと」
　バランスを取るため、二人がニノを抱き締めるような形になる。


「ア゛」
声が口から出る。でも体は動けない。


（いつものスキンシップなのに、

　ここでは　なぜか　うまく　処理できない…）


Ｎ「羨ましいでしょぉ♪」
　二人に抱きしめられて、嬉しそうなニノ。


　相葉くんの手がニノの腰にある。
　翔くんの手はニノの頭にある。


「そ、そんなことないよ」
めいっぱい強がった。

『へぇ～』っと口を尖がらすニノ。


（なんだよ…尖がらしたいのは　俺の方だよ！）


Ａ「俺の手開いてるよ？」
　手をヒラヒラさせる相葉くん。

（は？）
「そうじゃなくて」


Ａ「潤ちゃんもぉ　おいでよ♪」
　相葉くんが無邪気に笑ってくれた。


（絶対、手を繋ぎたいって思ってるよ

　違うのに…

　ん？

　違わないのか？


　いや違うよな？）

「あっっー
（言葉が出てこない！！）　やりづれー」
頭をガシガシかきながら座ってしまった。