第43章 秘密の中庭　五人そろった

相葉視点

　カズが、ニノの顔で怒っている。


「のぉみたいよ♪」（怒らないで…拗ねないで…）

　一瞬、ニノの顔が緩んだ。


（よし…このまま　ニノお好みのアイバカするから、許して…）

「俺ぇニノと飲みたぁいー」
開いている右手で、カズの鼻をツンツンしながら機嫌を取る。

（あ…ニノって言っちゃった…大丈夫かなぁ…）

Ｎ「ならいいですよぉ」
　つないだ両手を交互に振って少し前を歩き出すカズ。

（よし　よし　よかった…）


Ｓ「ご機嫌だね」
　翔ちゃんが声を掛けてきた。



「ふぅ…（ニノが笑ってるなら）何よりだよ♬」
翔ちゃんに笑顔を送る。

　翔ちゃんは困ったような、笑ったような顔で俺を見ている。


（いいんだよ。翔ちゃん…　俺がバカでいれば、世界はうまくいく）


一瞬、本郷のお家の人達が次々と浮かんで、消えて行く。



（そう…

　俺が…バカで、能天気で、その場しのぎで、いれば…


　……


　誰も………あんな……と…こで…


　し…ないで　　すむ）




Ｎ「おぉ～またっせぇ～」

カズの声が聞こえて、片手がグイッと上がった。

（ん？）

顔を顔を上げると、腕を上げている翔ちゃんと目が合う。

（えっ？）

カズが両手を上げているから、必然的に俺たち手を上がる。



Ｍ「なぜに？両手に花な状態なわけ？」
　潤ちゃんの不機嫌そうな声が聞こえる。


（あぁ…東屋についたのか…）

目の前に、俺が建てたら東屋が見える。



Ｎ「いいでしょうぉ♪」
　グッと俺たちを引き寄せるカズ。

Ｓ「おっと」
「おっとと」

カズが急に引かれるから、バランスを取るため、翔ちゃんと二人でカズを抱き締めるような形になった。


Ｍ「ア゛」
　潤ちゃんが大口を開けて、固まる。


Ｎ「羨ましいでしょぉ♪」
　カズが潤ちゃんの顔を見てニヤッと笑う。

（もう…カズったら…）

Ｍ「そ、そんなことないよ」
　潤ちゃんの声が裏返る。

（あぁ…潤ちゃんも…）


「俺の手開いてるよ？」
空いた手をヒラヒラさせる。


Ｍ「そうじゃなくて…」
　眉をひそめる潤ちゃん。

（そんな　顔して…分かってるから…　ここでは、素直になろうよ♪）

「潤ちゃんも（ほら）おいでよ♪」
空いた手で手招きをする。