第18章 五人で前々夜祭

松本視点

「五人だけの前々夜祭をはじめよう！」

俺の一声で相葉くんが立ち上がってビールを金属バケツから出し始めた。

Ｎ「いろいろ種類がいるんですね」
　ニノが珍しく身を乗り出している。


カラフルなラベルの小ぶりなビールのこれまた色の違う王冠を開けていく相葉くんを横目で見ながらキッチンに戻る。


（スープは鍋ごと持ってこようかな…）



Ａ「地ビールっていい匂いだね♪」

Ｎ「匂いが違うなら味も違うだろうね」



鍋をもう一台のワゴンに乗せて戻ってくると、席の前にビールが入っているグラスが置かれていた。


（おっと！先に乾杯ですか！）

ピヨンと椅子の前に飛び込んで、グラスを持った。



Ｓ「では、挨拶を！」
　翔さんがリーダーにグラスを渡す。


　リーダーはグラスを持って立ち上がる。

　ニノも立ち上がる。


Ｏ「うーん…その前に」
　翔さんが渡したグラスを一度テーブルに置く。


（リーダー？）

「どうしたの？」
Ｓ「どうしたの？」
　翔さんの声をかぶる。


Ｏ「謝る事がある。まず、ニノ…」
　リーダーがニノの方を見るために顔を上げる。


Ｎ「私に？…」
　首を傾げているニノ。


Ｏ「うん。昨日はごめんね。
　　なんかさ…

　　翔ちゃん居るのに、いない感じがして…」
　ちょっと下を向きながら、ボソボソ言っている。


（リーダー　ちゃんと自分から謝った…
　この人…本当にちゃんと、謝罪出来る人だよね…


　見習わなきゃ…）
そう思いながら、メンバーを確認。

ニノは『あぁあの事…』っといった顔。

相葉くんはちょっと苦しそう。
（沈む感覚を思い出したのかなぁ…）

翔さんは状況がわからないみたいだ。
　目だけで俺らの反応を見ている。

（翔さんは知らないんだ…）