第13章 抱えた気持ち
松本視点
ニノが自分のベッドに寝ている事に全然と言っていいほど動じていない相葉くん。
むしろその方が嬉しそうにも見えた。
(おいおい。進展があったのか?いや。まだだな…)
「相葉くん。お皿一度水洗いしたいから、シンクに置いて!」
A「綺麗だよ?」
「俺が気になるの!」
A「はいはい」
相葉くんはニコニコ俺の指示に従う。
(その笑顔がみんなの気持ちを和ませてくれるんだよな…独り占めはズルイぞニノ!!)
「それにしても、結構な量だな…」
ワゴンに乗っている料理を見ながら、シンクの皿を流し始める。
A「そうだなね。
ニノちゃんがさ、いつの間にか注文してたんだよ。みんな来たらツツこうね♡」
折りたたみの椅子を取り出して、俺の側に座る。
「いや、上二人が来るまでに、分けとく。じゃないと、食べたかどうか確認できない」
A「翔ちゃんは食べると思うよ!」
相葉くんがシンクを挟んだ向こう側で頬づえついて言う。
「リーダーが食べない」
過去の事を思い出しながら言う
A「うーん。確かに…」
俺の言葉に納得した相葉くん。
黙って俺の側から離れない相葉くんに声をかける。
「相葉くん。
今のうちにシャワー行っておいでよ。まだでしょ?」
A「うん。行ってくる!!」
椅子から勢いよく下り、バタバタ走って行く相葉くん。
(ホント…行動が読みにくよ)
「ニノぉ」
キッチンからニノを呼ぶ。
N「うーんなに?」
覇気のない返事が返ってきた。
「ニノは少な目?普通?」
N「うーん。お酒飲むから少な目かな…」
覇気はないけどちゃんと返事が返ってきた。
「ん、了解!」
(反応は普通だな…じゃ)
「さっきさ…浜地さんが
『ニノがゆっくりしたい』って言ってたけど、調子悪いの?」
本題を直接ぶつけてみた。
N「私自身は調子悪くないですよ。
調子が悪いのは上二人です。
チーフに『五人でゆっくりしたい』お願いしたから、その事では?」
ニノが俺のいるキッチンの方に顔だけ向ける。
(あーそっち…
確かに、ニノの顔色は悪くない)
「なるほど、納得したよ。
で、翔さんはわかるけど、リーダーはどうしたのさ?」
俺の質問に少し困った顔をしたニノ。