第12章 見かたが違うと…
二宮視点
マー君の部屋に鍵がかかっていなかったから、何も言わずに入った。
M「ねー……どっか悪いの?」
いきなり、潤くんの低い声が聞こえてきた。
(何?!)
その声がした方に近づくと、困った顔の浜地と下を向くマーくんを睨んでいる潤くんがいた。
(なんだ!この空気!話の内容が全然見えないぞ?
とりあえず、ここは浜地に聞くのが早い…)
「浜地。何話している?」
浜地「あ、いえ…」
歯切れの悪い浜地。
≪理解者!状況の説明!!≫
浜地「あ!あの…少々私の早とちりをしまして…」
理解者の報告を制するように浜地が声を上げる。
マー君と潤くんが目をパチパチさせながらこっちを見ている。
≪浜地の言葉だけでいい…≫
{はい}
浜地「その…ご様子なら、問題はなかったようですね…
はは…私はこれで失礼します」
バツの悪そうな浜地がそそくさと部屋を出て行った。
「たく…なんの早とちりだよ!なぁ?」
この場をごまかそうと、とぼけて二人の方を振り向くと、とっても優しい顔しているマー君がいた。
A「えー…リハ見てて、心配してたんじゃない?」
マー君が笑顔で答える。
(下手なウソだなぁ…今回はその話に乗ってやるよ)
「…あー、最初の方酔い止めが残ってたからね…」
話を合わせようとすると、マーくんが微笑む。
(優しさの塊なんだから…こういうところ、モテるんだよ…)
M「まだ上二人は来ていないんだね?」
潤くんが話題を変えてくれた。
A「うん…」
「潤くん。頼んだ料理。それで良かった?」
M「うん…まぁ、ちょい足しでいいんじゃないかな?」
キッチンの方から潤くんの声が聞こえる。
A「こんな時間なのに?作るってくれるの?
すごいね。俺はもう作る気ないよ!」
キッチンで大きい声を上げるマー君。
「別にマーくんに作ってほしいって言ってませんし…」
(食事は二人に任せます。はー疲れた…)
抱いていたクッションを持ったまま、マー君のふかふかのベッドに座る。
(ホテルだから、そんなに間取りは変わらないけど、マー君の部屋の方が少し広いかな…)
直ぐにゴロンと転がって天井や部屋を見回した。