• テキストサイズ

【イケメン戦国】 戦国武将へのサプライズ<R18>

第10章 ~家康´~


なおの顔の横、壁に腕をつき囲い込む。

光秀「よかったな」

覗き込むようにして、光秀が美しく整った顔を近づける。

「あ、ありがと・・・ございます」

逃げ場がなく、ただ目を伏せてそう答えた。


光秀「祝いの品は後日改めて贈ろう。今日はこれで我慢しろ」

目の前に差し出す。


「・・・蜜柑」

光秀「家臣に聞いた。その者の妻は終始気分が悪く、食事もままならない状態だったが、これは喜んだと」

なおの掌にそっと乗せ、

光秀「食べられそうか?」

いつもは本心を覆い隠す光秀の表情に、今はほんの少しだけ心配の色が見える。


「ありがとうございます、光秀さん」

顔に近づけ、香りを吸い込む。

「いい匂い・・・少し気分がよくなりました」


その笑顔に、光秀の胸が淡く揺れる。



光秀「どうせ皆遅くまで騒ぎ続けるのだろう。辛いなら、部屋まで送るが」

「いいえ、大丈夫です。折角光秀さんも来て下さったんですから、もう少し居ます」

光秀「そうか・・・」

なおの肩に手をかけると、

光秀「無理はするな」

そっと支えるように背中に腕を回し、広間へと向かう。



なおが家康の元で暮らすことを選んだ時、あいつらの反応は滑稽で笑えた。

子を宿したとなると、その時以上に可笑しなことになるだろう。

・・・まぁ、俺も例外ではないが。




光秀「全く・・・大した女だな、お前は」


なおに聞こえないよう、小さく呟いた。

/ 94ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp