【イケメン戦国】 戦国武将へのサプライズ<R18>
第6章 ~光秀~
「はぁ・・・」
今日何度目だろうか、なおは深くため息をついた。
夜はなかなか寝付けず、朝も早く起きてしまい、あまりの手持無沙汰に針仕事を始めたのだが、それは全く進んでいなかった。
(だめだ。気分転換に外へでも出かけよう)
羽織を纏うと、部屋を後にした。
廊下を歩いていると、前から光秀がやって来るのが見える。
「っ!」
慌てて視線を逸らす。踵を返したらあからさまだろうか、いや、忘れ物をした振りを・・・
なおが動揺している間に、光秀が目の前に迫る。
「こんにちは・・・」
光秀「なお、どこかへ出かけるのか」
「あ、えっと、城下にでも行こうかと・・・」
光秀「そうか、気を付けて行け」
そのまま通り過ぎる。
なおは振り返り、咄嗟に声をかける。
「あのっ、 光秀さん・・・」
無言でこちらに向き直る光秀に、何の言葉も続かない。
「いえ、何でも・・・ 失礼します」
歩き出すなおに、今度は光秀が、
光秀「お前は、何とも思わなかったのか?」
「・・・」
振り向けないなおの背後に歩み寄り、耳元で続ける。
光秀「あの日の事が気になるのなら、ついて来い。但し、来るなら朝まで帰れないと思え」
驚いて思わず振り向くなおに、いつもの意地悪な笑みを見せる。
光秀「俺に興味が無いなら来なければいいだけだ。ただそうやって、ずっともやもやしていろ」