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【文豪ストレイドッグス】黒い世界に生きる少女

第4章 マフィアでの生活


くるみは医務室のドアを開けた。

「芥川さん…!」

「くるみ…?何故ここに…」
呆けた様子の芥川は、簡易ベッドの上で上体を起こした。
「芥川くんのこと心配して来てくれたんだよ。それじゃあ、私は外で待っているからね。帰りも送ってあげるよ!」
「ありがとうございます。」
太宰は、昼間とは打って変わってニッコリ笑うと静かにドアを閉めた。

「大丈夫…?」
「心配には及ばぬ。」
芥川は静かに答えた。
くるみには、そんな芥川が霞んで見えていた。
「…泣くなっ!」
「だって…!芥川さん、こんなに頑張ってくれてるのに、私は…!!」
芥川はくるみの顔に手を近づけ、そっと涙を拭った。

「いい加減にしろ。見舞いに来たのなら、僕を困らせるな…。傷が治らぬぞ…?」
「…すみません。」

笑い泣きながら、謝るくるみに、芥川は微笑んだ。
そして、そのまま、すぅっと目を閉じた。
穏やかな吐息から、眠ってしまったことがわかる。

(疲れてるのかな。)
だとしたら、長居は逆に迷惑がかかる。
太宰さんも待ってくれていることだし、また改めて…

「…くるみ」

低く小さいその声に、はっと振り返る。
芥川さんは変わらず、穏やかに眠っていた。
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