一夜の幻【夢専用✣ハイキュー!!✣弱ペダ✣テニプリ】
第5章 キミのために出来る事全て(東堂尽八*夢)完結
東堂side
分かっている布施が
来ても来なくても
俺オレはを向いて走るしかない
ただスタート前
いくら探しても見えない
布施の姿に落胆は隠せない
フクや新開に心配されながら
スタート地点に向かう
荒北は何も言わないが
キョロキョロと辺りを見回して
布施を探しているようだった
「もういいのだよ荒北。
オレは勝つ。心配するな」
「心配なんかしてネェし!
勝つとか当たり前だ!
それに…簡単に諦めんなバァカ!」
諦めて等おらんよ
きっとどこかで
見ていてくれていると信じている
スタートの旗が振られ一斉に動き出す
観客もわんさといる
巻ちゃんの緑色の髪が
前方にチラチラ見えた
体調は悪くない。足も回っている。
なのに状況は良くない
巻ちゃんとの差が縮まない
「「東堂さまー!!頑張ってー!!」」
ファンの声援が聞こえる
「東堂さーん!トップと1分差です!」
2年の声に少し焦る
トップは巻ちゃんだ
並みの相手ではない
本気で踏まねばもう追いつけない
なのになんでだ?足が重い。
焦って更にペダリングが崩れる俺に
「バァカ!東堂バァカ!
サッサと追いつけボケナス!」
荒北の声が届いた
荒北がレース中声かけるとか
珍しいと思わず
そちらに目をやると
飛び込んできた布施の姿
俺を心配そうに見つめる目
髪に飾られた茜色のシュシュ。