第52章 初恋苦し（北信介）完結

『…私も言わせたくせに、ですけど
恥ずかしいですね…』

照れくさそうに話す顔に
微笑み返し

「エエやろ
そのうち慣れるわ」

『慣れる…かなぁ…』

「慣れるまで呼びあえばエエやろ

なぁ…姫凪」

また唇を塞ぐと
応えるように
姫凪の唇も
俺の息を飲み込む様に
重なってくる

めっちゃエエ雰囲気やし
二人きりやし
このままココで…な
流れではある

ある…けど

「…？」

『…？』

「『この先どうするん？』」

二人ともド素人で
この先どうしたらエエか
実績ないから
分からへん

流れが止まるのは
本意やないし
止まってもうては
次に繋ぐのも
難しなってまう

けど、なぁ。

『北さん知らへんの！？』

「布施こそ」

『知っててエエのん？』

「そっちこそ…それに…」

「信介や」
『姫凪やし』

「『…ハハハッ！
そない焦らんでもエエなぁ…』」

まぁ、それはそれで
エエかも知れんな