第5章 キミのために出来る事全て（東堂尽八＊夢）完結

東堂side

「キャー‼︎東堂様ー‼︎
こっち向いてくださぁい」

「指さすやつやってー‼︎」

「ハッハッハッ！応援感謝する！」

毎日オレを包む歓声がこだまする

悪くない！と言うより当然だ！
オレは登れる上に
トークも切れる更にこの美形！
天が三物を与えた男
箱学イチの美形！
東堂尽八なのだからな！

それなのに、この女
布施　姫凪は
いつも呆れた様にオレに言う

『まぁたやってるよ…
飽きないねー…』

「布施！オレの魅力に
まだ気付かんのか！？
お前には美的センスと
言うのが欠落しているんではないか！？」

『ハイハイ…そんな事より
靖友どこー？』

そんな事！？そんな事だとぉー！
さすが荒北の幼なじみなだけある！
わかっとらんよ！まったく！

「まぁたジャレてんのー？」

『東堂が絡んで
来てるだけだよ…全くイイ迷惑』

「どーせ毎日ここ来んなら
いい加減仲良くしろや〜（笑）」

『無理。これ以上迷惑
かけられたくないからね』

荒北にタオルを差し出し
おきまりのやりとりが始まる
迷惑だと！？全部聞こえてるんだぞ！
オレに話しかけられて
そんな事言う女はお前位だぞ

「おい！布施！
迷惑とはなんだ！？
オレが毎日話しかけてるのに
いつも邪険にしおって！」　

『それが迷惑だって
言ってんのー！
身に覚えのない事でアンタの
ファンに文句言われる
私の身にもなれ！
このバカチューシャ！』

「な…！バカチューシャ…っ！？」

『それに私は靖友
見に来てんの〜！
東堂様はその辺に群がる
ファンの方々に愛想でも振りまいてろ』

べーっと舌を出して
荒北の後を追って行ってしまった

全くわかっとらんよ…。
オレがなんの理由もなく
毎日話しかけに行く
わけないではないか
いい加減気づいても
いいのではないか？

オレはお前が好きなんだ