第51章 ♡陽だまりの粒（岩泉一）完結

『冗談にしては
質悪いよ…』

冗談なんかじゃないよ
本当に俺は…

「姫凪ちゃん
岩ちゃんなんか止め…」

"止めとけ"
本当に言っていいのかな？

だって俺は知ってる
姫凪ちゃんのは
ただの期待なんかじゃなくて
岩ちゃんは本当に
姫凪ちゃんの事が好きで
ただ恋愛に疎すぎるだけだって事を。

『こんなに苦しいのにね…
なんで私はまだ
はじめちゃんが好きなんだろ…』

俺が背中を押したら
二人の両片想いは
両想いになるんだよね

なら、俺がやる事は
二人の間に割り込む事じゃあない

それは正解じゃ…ない

本当に姫凪ちゃんを
好きなら
背中を押すのが
きっと正解なんだろうね

分かってるよ
分かってるさ

間違ってない…のに

「…好きなら通せば良いよ
応援するからさ」

正解な事をしてるのに

『ありがとう』

なんでこんなに痛いんだろうね

嬉しくないよ"ありがとう"なんて。