第51章 ♡陽だまりの粒（岩泉一）完結

『は、花巻！？
チョット…なんで！？
ランニングは…』

「足の調子悪いから
短目で終わって戻って来たんだけど
足より心の調子が
絶不調になりそうだわ、コレ」

他の女子の存在を
無視して
真っ直ぐ私の方に歩いて来る花巻は
よく見ると片足を少し
引きずってるように見える

『ひねったの？』

「…多分？
とりあえず…保健室付き合ってよ」

『え、私が行っても
なんの役にも…』

あの人達から離れられるのは
ありがたいけど
さすがに、さっきの今じゃ
気まずい

そんな事を思ってるのを
見抜いたのか
偶然なのか

「良いから」

花巻が強引に私を
二人から引き離して歩き出す

「花巻！何勝手なことしてんの？！」

「出しゃばり過ぎじゃん？」

イキナリ現れた花巻に
慌てて叫ぶ女子達に

「それ、キミらが言う？
しゃしゃって
引っ掻き回してんのどっちだよ
一応俺、女子にはある程度寛大だけど
好きな子イジメられて
笑ってられるほど
温厚ではねぇよ、悪いけど」

振り返り静かに語る