第51章 ♡陽だまりの粒（岩泉一）完結

ちょっと赤い顔して
私の頭を撫でる
はじめちゃんに

『う、うん！分かった！』

テンションは上がるのに

「じゃあな」

素直に喜べない

はじめちゃんを見送り
置き去りにした
花巻のハンカチを洗濯機に持って行き
やけにイッパイになった
シンクのカップを片付けて行く

『なんか…凄い嫌なオンナに
なった気分…』

私の気持ちは
はじめちゃんにしかないけど
優しい花巻に甘えて
家にまであげて…
これが逆の立場だったら…

『無理ーー！
絶対イヤ！
付き合ってるとかじゃなくても
イヤでしかない…』

酷い自己嫌悪に
今日も全くスッキリしない
心と身体を引き摺りながら

『…行ってきます…
今日は頑張ってくる…』

また朝を迎える

「無理はしちゃ駄目よ？
またあの子達に
心配かけたら悪いじゃない」

お母さんの声に苦笑いを返して
トボトボ学校へ向かってると

外周を走る部活組とすれ違う
確かあれはバスケ部…
バレー部は…まだ、かな？