第51章 ♡陽だまりの粒（岩泉一）完結

その目にはボールしか
映る事はなく
私の目には

「で？相変わらず
岩泉に付き纏ってるみたいだけど
どういうつもり？」

不機嫌な女子の顔が映る

「そもそもさー
アンタ花巻といつも
イチャついてるよね？
それなのに岩泉にも
近付くとか節操なさ過ぎて
引くんだけど」

『別に花巻とは
ただの友達だから…』

「なに？岩泉とは違うって
言いたいわけ？
そんな事思ってるの
アンタだけじゃないのー？」

"違う"って言い返したい
だって…だって…
キスって特別…じゃないの？

「キスしたくらいで
彼女面？
付き合おうとでも言われた？
ねぇ、どうなのよ？」

キス"くらい"って
軽い気持ちでする様な
はじめちゃんじゃない

そうでしょ？
そうだよね？

心の中では
彼女達の言葉を否定してるのに
声にならない

「何黙ってん、の」

そんな私にイラついたのか
一人が私を
思い切り突き飛ばす
大きく揺れた視界
よろめいた身体は
地面に吸い寄せられ
私の肌に大きな傷を付けた