第51章 ♡陽だまりの粒（岩泉一）完結

"ダメじゃない"
そう応えようとした
その時

「岩ちゃん！！
大変！昼休みに
自主練許したら金田一と影山が
喧嘩しだした！
国見ちゃんは頼りにならないし
ちょっと来…てくれるか…なぁぁあ？！

なにやってんのさ！
こんな所で！！
岩ちゃんの猿！！」

及川くんの声が静寂を破った

一気に正気に戻された
頭の中に
二人の会話が響く

なにやら部員同士で
トラブルがあったらしい

一緒に体育館に行っては
みるものの
問題が解決するやいなや
バレー部員の顔になって行く
はじめちゃんに
ちょっと寂しい気持ちが湧いてくる

「いや、岩ちゃんよ。
女の子ほったらかしは
駄目でしょ、フツーに」

私の変化に
目ざとく気付く及川くんに
いつもなら感謝なんだけど…

「スマン、姫凪
えっと…」

今は良いのに…な。

だって、分かるんだもん
頭の中がバレーでイッパイなのが
私の事を忘れてしまってた事が…。

『大丈夫！
私の事は気にしないで
せっかく練習出来るなら
した方が良いよ！
私、見てるから！』