第51章 ♡陽だまりの粒（岩泉一）完結

本当はハードルなんか
飛び越えたいけど

「…姫凪が
そう呼びたいなら、良いけどよ…」

『うん、呼びたい…』

今はまだ、ね？
ゆっくりジックリ
距離を縮めていかないと
頭はいつまでも
パニックのまんまだもん、ね？

「そうか、じゃあ…それで」

『は、はい』

「なに緊張してんだよ
ほら、食おうぜ」

少し残念そうに
岩泉…はじめちゃんが笑って
私の作ったお弁当が
綺麗に無くなっていく

「美味かったサンキュな」

ぺろりと消えた中身が嬉しい

「もう戻る時間かよ
短いな」

『そうだね』

もっと一緒に居たいと
言われてる様な
この空気が嬉しい

隣り合って歩く廊下が
幸せなのに

「え？マジ？
ありえなくない？」

「ありえない
ムカツク…」

かすかに届く声に
喜びきれない

「あの子…彼女？」

「まさかでしょ
あんなガキっぽい身体の
色気無い子」

敵意のあり過ぎる言葉が痛いデス
ガキっぽい身体つきで
色気無くて悪かったわね！
発展途上なのよ、放っといて！！