第51章 ♡陽だまりの粒（岩泉一）完結

『熱？！違う…ワタシケンコウ
岩泉くんが…』

「あ？俺また何かしたか？！
チャント言わなきゃ分かんねぇべや！
おい、布施？！」

更に潤む目に驚いて
さっきより顔を近付けると

「はーい、ストップ！
姫凪ちゃん爆発しそうだから！」

及川が俺と布施を引き離す

なんだ？意味分かんねぇ
俺がなにしたってんだ？

「意味分かんねぇって顔しないの！
ほら、俺もすぐ着替えて行くから
体育館行ってなよ鈍感男！」

腑に落ちない俺の背中を叩き
部室に引っ込む及川と
まだ固まってる布施

「鈍感ってなんだよ、なぁ？
あ、クッキーだっけ？
チャント食うから。
えっと…せっかく作ってきてくれたのに
悪かったな」

白い手に包まれた
俺には不似合いなラッピングの袋と
いつものスポドリを取り

「いつもサンキュな
今度ラーメンでも奢る
また暇な日教えろ」

クッキーは
ジャージのポケットに押し込んで
体育館に向かった