第51章 ♡陽だまりの粒（岩泉一）完結

「うっせぇな。
見りゃ分かる
アイツが差し入れ来るのなんか
珍しくねぇだろ」

手だけ挙げるのが
布施への挨拶代わり
これもいつも通り

「え？！オハヨウくらい言いなよ！
てゆっかスポドリ重いんじゃない？！
姫凪ちゃん！おはよう！
及川さんが、持ってあげるから！！」

走って行く及川に
よくやるな、とか
思ってしまう

…あぁ、俺より及川がモテるのは
コレが理由か
まぁ、良いけど
勝手に納得して部室に入り
ジャージに着替えて
外に出ると

『あ！岩泉くん
これ、飲んで？
後…コレも…！
昨日クッキー焼いて…』

俺に向かって走ってきた布施が
スポドリと
女子らしい袋を差し出す

「は？クッキーって…
スポドリだけで良いぞ？」

『え…あの…
いつも朝練中
お腹空いたって言ってるし…』

「いや、さっきパン食ったし
俺は甘いモン食わね…痛ェッッ！」

「せっかく作ってきてくれたのに！
なんて事言うのさ！
岩ちゃんのデリカシーなし男！」