第51章 ♡陽だまりの粒（岩泉一）完結

いつもと同じ朝

「岩ちゃーん
おはよー」

「おぅ。
どうした？早ぇな
今日は取り巻きも居ねぇし
とうとう飽きられたか」

鍵を開ける俺の後ろから
一人で現れた及川に
視線を送ると

「ヒドイな！
岩ちゃんが早朝練するから
早く来いって連絡して来るから
ファンの子に見つからない様に
いつもと違う道から来たんじゃん！」

少し丈の短くなった制服を身を纏い
地団駄を踏む

「あぁ…そうか。
つーか、また背伸びてねぇか？
ムカつくな
縮めや、クソ川」

なかなか180cm（オオダイ）に
届かないイライラを
隠す事なくぶつけられるのも

「俺に当たんないでよ！
大きめ買ったのに
チンチクリンになりそうで
困ってるんだからさ
卒業まであと少しだから
新しいの買わないって
母ちゃんは言うし…」

「自慢か、うんこ野郎。
半ズボンになっちまえ」

幼馴染が故だろう。
俺が悪態つこうが
毒舌吐こうが
俺らの絆が何ら変わる事はない
…惚気みたいでキモいけど、な。