第50章 年下男子はお嫌いデスカ？（二口堅治）完結

姫凪side

歳の差なんか関係ないって
真っ直ぐに言うキミが
どうしようもなく
愛しくなって
その言葉を信じたくなった

なのに

キミの周りは
私が思うより華やかで
コンプレックスを抱える私は
自分の目に映った
私より似合うあの子の姿に
上手く笑える程
大人でもなくて

嫉妬を表に出して
縋りつける程
素直でもなかった

大人のフリをしそこねて
張った意地は
キミを遠ざけて行く

追いかけたいけど
その手を掴んで
引き留めたいけど

振り払われるのが怖くて
一歩も動けない

やっと踏み出した時
キミの隣は
素直で
可愛いあの子で埋まってた

自業自得だって
笑えたら楽なのに

涙ばかりで笑えない