一夜の幻【夢専用✣ハイキュー!!✣弱ペダ✣テニプリ】
第49章 煙の向こう側に笑みを(白布賢二郎)
「…瀬見さん?
俺急いでるんスけど…」
電話越しの沈黙に声を投げると
〈そ、それが…
タクシーで消えてったから
どこに行ったかまでは…〉
さっきのプレッシャーは何処へやら
モゴモゴと威勢のない声が
俺の耳に響く
…はぁ?
「…役立たずかよ…
走って追いかけて
突き止めとけってんだ…」
〈白布…声が漏れ過ぎてンよ…〉
「すいません。
隠す気なくて。
とりあえず天童さんに連絡入れてみます」
"お前なぁ!"と叫ぶ声を無視して
電話を切って
そのまま電話を掛けようとした手が
「…あの子の所、行くの?」
小さい声で止められた
「行く。どこに居るか
分かんねぇから
とりあえず本人に確認しねぇと…」
再び画面を滑らす指
鳴らそうとしたコールを
キレイなネイルが遮り
繋がる事なくホーム画面に逆戻り
「おい、いい加減にしろよ
もう無理だって言ったの
聞いてなかったわけ?」
焦りと苛立ちで
キツくなる口調
元はと言えば俺がズルズル
抱いてたからのくせに
身勝手な話だよな。