一夜の幻【夢専用✣ハイキュー!!✣弱ペダ✣テニプリ】
第49章 煙の向こう側に笑みを(白布賢二郎)
でも、ここで抱いたら
もう姫凪に触れられない
全部終わると思ったら
それは出来ない
だけど
足はソコに根を貼ったまま
動いてもくれない
そんな俺と距離を詰めるナナを
押し返す事しか出来ないで居ると
「…携帯…俺、か?」
スボンのポケットで震える携帯
姫凪か?と思って
急いで手に取ると
【瀬見英太】
溜息しか出ない表示
今日はさすがに飲みに行く気力もない
出ない選択もあったけど
「はい。どうしたんです?」
藁をも掴む気持ちで応答した
〈白布!このバカ!
姫凪ちゃんに何した!!〉
耳が取れるかと思う程の怒鳴り声は
隣のナナまで聞こえた様で
目を丸めて俺を見上げてる
それより驚いたのは
瀬見さんから姫凪の名前が出た事。
「なんなんスか?
姫凪、そこに居るんですか?」
まさか瀬見さんに泣き付いたのか?
いや、でも…どこでどうやって?
なんて事は今はどうでも良い
兎にも角にも追わなきゃ始まンねぇ