一夜の幻【夢専用✣ハイキュー!!✣弱ペダ✣テニプリ】
第48章 小悪魔な甘さ(真波山岳) バレンタイン2019 完結
「(布施、良いのか?
真波は一度目を離すと
捕まえるのが難しいぞ?)」
東堂に背中を強く押され
縺れた足が真波くんの前で止まる
「…」
いつもと同じく
ニコニコしてるのに
眉毛は少しだけ下がってて
『待って、真波くん…あのさ
真波くんってチョコレート…』
「オレですか?」
声色がどことなく冷たく感じた
勘違いかも知れないけど
考えすぎかも知れないけど
「別に興味ないですねー
欲しい相手も居ませんし」
私の弱いメンタルが
拒絶されたと思うには充分な
残酷で綺麗な笑顔だった
『…そっか…』
ゆっくり下がって行く身体
「…東堂さーん!
オレ、今日は一人で登りますね!」
白い羽根でも生えたみたいに
フワリと香りだけ残して
去っていく背中
その後を追いかける彼女に
ギリギリと痛む胸
『東堂…私には…
やっぱり無理…かも。
キッツいね…追いかける事も
出来ないんだから』
羨ましくて仕方ない
迷い無く進める足が
真っ直ぐな彼と似合ってるとさえ
思ってしまう
「それでも好きなら
仕方ないだろう?
貫くしかあるまい」