第48章 小悪魔な甘さ（真波山岳）　バレンタイン2019 完結

「そうなのか？布施」

『違う！別に私は…』

「違うって何がですか？」

『お構い無く…！
気にせず走って来て…！』

違うくない
自分でもびっくりするくらい
ドキドキしてる

一目惚れなんて
気の迷いと思いたいのに

「はーい、一番で帰ってくるんで
待ってて下さいねー！」

何気ない言葉に
心臓が煩くて堪らない

結局一番に帰ってきたのは東堂で
ファンクラブの声援が
一気に高く大きくなったけど

「あ～ぁ、負けちゃったな～
今度は勝ちますね！」

『うん…』

ファン声援なんかより
私の鼓動の方が高く大きかった

それから偶然のフリしては
何度か真波くんが走る姿を見に行って
気の迷いでは済まされない感情は
私の中で次第に大きくなって来た

それは

「布施、今日は真波は
まだ来てないぞ？」

『は、ぁ！？何言って…』

「俺が気付かんわけがあるまい」

東堂にスッカリバレる程。