第47章 痛みにて咲く（角名倫太郎）　生誕記念　完結

『角名先輩…？』

「なぁ？アンタって
盗み聞きが趣味？」

『え！？いえ…たまたま
部室の前を通ったら
聞こえただけで！
決してそんな趣味は…』

ほーらな。
やっぱり運悪ぃ～…

『あの…私…ゴメンナサイ…』

笑わせる方法分かンねぇし

「いや、それ俺のセリフ
確かに侑と話してた事は
ウソとか照れ隠しとかじゃねぇし…」

『ですよね…』

気の利いたフォローも出来ない

沈黙が二人を包んで
空気が重くなって行く

ぶっちゃけ逃げたいくらい
気まずいし
意識はしてるけど
気付いたばっかだし
これが愛や恋だなんて
確証はどこにもない

だけど

「ただ一個ウソが出来た
苦手…は、あんまり変わってねぇけど
遊びで抱くとかはしたくねぇ
つーか、遊びでなんか
抱きたくない…って言うか…」

離れたくないが
俺ン中で勝っちゃって

「アンタを抱くなら…
本気で…って思ってる」

中途半端な告白が口をつく

『え？えぇ？？
それってどう言う…事？？』

ほら、メッチャ戸惑ってんジャン

あ～！マジ面倒くせえな
そんで！

「アンタとならこれから
本気で抱き合える関係に
なれっかもとか思ってるけど
そっちはどうなんだよ！」

なんか逆ギレぽくて
超だっさいし

普通なら引かれて
金輪際サヨナラだよ
俺がオンナでもそうする