第47章 痛みにて咲く（角名倫太郎）　生誕記念　完結

『怒ってるとか、ないです！
ホンマ、私も何がなんやら…』

「…は？じゃあなんで
サヨナラなわけ？
意味分かんねぇんだけど…」

『だって…それは…』

頭がパニックで
上手く回らない舌
声を出せない唇が

「面倒くせえ俺を忘れたくなった？

…させねぇけど」

激しく深く塞がれた

はい？なん？
コレって…

キ…ス？

「おい、コラ！
墜ちんな！
話はこれから…」

『無理…死ねます…』

離れた唇に残った感触に
昇る血液でクラリと揺れた視界

力の抜けた身体は
諦め掛けてた
愛しい人の胸に
静かに落ちていった