第47章 痛みにて咲く（角名倫太郎）　生誕記念　完結

笑おうが泣こうが関係ない

泣くのなんか面倒くさいって
思ってたのに
泣かないコイツに
ホッとしてたはずなのに

『別に無理してないです！
笑いたいから…笑ってました！
今日は笑えないから…帰りました！
だから…』

泣きそうな布施サンに

「無理してンじゃん」

なに俺まで泣きそうになってんだろ

『…関係ない…でしょ
角名先輩には…』

関係ない…
確かにそうだし
俺も散々突き放して来た

分かってる自業自得だ
なのに…

『今までゴメンナサイ！
ええ加減に諦めて
次行かな、ですよね！
ゴメンナサイ…サヨナラ。
行こう…』

「え？あぁ…おう…」

最後の顔が

「おい、布施サン！」

『…サヨナラ！』

涙顔ってなんだよ

最後の最後で

「…痛ぇ…」

痛みに気付くってなんだよ

好きか？って聞かれたら
正直分からねぇし
ココでもしサクラに告られたら
多分サクラを抱いちゃうだろう

でも、だけど…

この痛みを俺は知ってる
大切な人が離れる痛み

俺がアイツを…
布施サンを

大切に想ってた証の痛み。

でもそれを知った時には
隣は空っぽになってた

運がなかったと諦める
…わけにはいかないよな

次こそは

種のまんまで枯らさない。