第47章 痛みにて咲く（角名倫太郎）　生誕記念　完結

「いい加減にしろよ
巻き込まれてやるのは
今日だけだ、つってんじゃん
てゆっか俺、昼飯ないんだけど…」

「姫凪ちゃんのお弁当あるやん！
せっかく作って貰ったモン食べへんとか
バチ当たるで！
残したら
北さんに食べ物粗末にしたって
チクるからな！」

「北さんと仲ええなぁ？
俺妬かせてもバチ当たるんちゃう？」

「ひゃあ！侑！
ウソやん！ちゃうやん！
拗ねんといて？」

「妬かせるんは
二人きりの時にせぇや
お仕置き待ちのナナちゃん」

あー、アホらし。

飛び蹴りする気力すら
バカップルの熱に融けて
不本意な昼食会が始まった

俺らの目の前で
これでもかってくらい
イチャつきながら
飯を食う四人

俺らはというと…

『美味しいですか？』

「…普通」

一切盛り上がらない

本音を言えば美味いし
メシ代浮いて感謝してるけど

『そ、うですか…
あの！好きな物とかなんですか！？
今度それ入れて…』

「…今日限りだっつの」

優しくなんか出来ない

俺に気がない以上
期待させるわけにはいかないじゃん

失恋の痛さは
俺だって知ってる
期待すればする程辛くなる

泣かれるのは嫌だし…な。