第47章 痛みにて咲く（角名倫太郎）　生誕記念　完結

「おーい、角名～
スナリ～ン」

「なんだよ、侑。
治ならサクラと部室デート」

昼休みに教室に響いた
侑の声に低く返すと

「ちゃうちゃう！
治とかどうでもええねん！
ナナは！？
屋上に来てへんねんけど！」

「知らねぇし。
また北さんのところじゃねぇの？
なんだかんだ仲良いじゃん
姉と北さん」

「仲良ぉないわ！
知らんねやったらエエわ！
あー！なんやねん！
三年の教室に居ったら
メッチャお仕置きしたるからなぁ！！」

「したいだけじゃん…」

俺のツッコミを聞く事なく
教室を出て行く侑

毎日毎日飽きねぇの？
本当…双子揃って
イノシシっつーか…
バカップルっつーか…

…チッ、まだ痛むとか
俺も大概ヤベェ？

なんの事？
それは、まぁ、長くなるんだけど…

「角名！サクラ知らん！？
部室来てへんねんけど！」

「デジャヴ？
さっき侑も姉探してたけど
双子揃って振られてたらウケるから
教えろよ？
じゃ、俺は食堂行ってくる」

「振られへんわ！
あー！もう！なんやねん！
見つけたらお仕置きや！」

本当、デジャヴかよ。

ため息を吐いて
教室を出て食堂へ向かいながら

双子の事を考える