第45章 想われ想われ 恋生まれ（五色工）生誕記念　完結

「あ～…またドタキャン…」

LINEの中には
”残業になっちゃった”って文字と
ゴメンねって泣くスタンプ

［大丈夫！また今度！］

空元気の返信をし
肩を落として来た道を引き返す

「母ちゃーん！
飯、何かあるー！？」

玄関を抜けてキッチンを覗くと

「げっ！兄ちゃん！？
また実家来てる！
なんなの！？暇なの！？」

妹のサクラが
慌てて何かを隠す

「暇じゃねぇし！
飯作る元気も無い程
疲れて帰って来たんだよ！
お前こそ何やってンだ？
母ちゃんの代わりに飯作ってんのか？」

ひょい、と顔を覗かせると

「見ないでよ！
お腹空いたなら
私の晩御飯あげるから！
冷蔵庫に入ってるし勝手にどうぞ！！」

サクラが抱えてたのは
お弁当箱
サイズがカナリ大きめで

「こんな時間に
その量食うのか？
しかも何だ？飾り切りでもしたのか？
調理の専門学校にでも
行きたいのか？」

何かの型の切れ端が
皿の上に置いてある