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Starlight Kiss【気象系BL小説】

第8章 tragic love①


ー松岡sideー


翔「んー美味しい」


俺の前で翔は美味しそうに弁当を頬張った。


夕飯を食べていないと言った翔。
俺も腹が減っていたから近くのコンビニで弁当を2つ買って戻って来た。
もしかしたら…出て行ってるかもと心配したけれど、翔は大人しく部屋で俺を待っていた。


翔「舞にも…食べさせたいな」


ポツリと呟きながら翔はおかずのハンバーグを見ていた。


「………舞って…誰だ?」


翔「あ、いや…」


言いにくそうに翔はうつ向いた。


「隠すなよ。話してみろ」


俺は箸を置いて翔を見つめた。


翔「………妹。心臓が悪くて入院してるんだ。だから…」


「心臓?」


翔「うん…。移植しないと助からないって…。外国じゃないと…手術出来ないって。だから…お金がいるんだ」


「お前…それであんな客引きして身体売って稼いでたのか?」


翔「だって…それが1番稼げるから…」


16の子供が…そんな大きな物背負って生きてるのか…。


「………親は居ないのか?」


翔「………居ない」


「………マジかよ」


翔「………信じてくれんの?」


「びっくりしたけど…お前は嘘付きそうな奴じゃないもんな。話してて分かるよ」


翔「そんな事言われたの…初めてだ。今まで…そう言った奴には『そんなに金が欲しいのか。そんな嘘付けば金弾むと思ってんのか』って…」


「………それが大人だ。そんな奴も居るんだ」


翔「でも…止められない。妹…助けなきゃ」


「………でもお前がどうにかなったら妹さん独りだぞ。せめて…ちゃんとした店で働くとか…」


翔「………16の俺に…仕事くれるとこなんて…」


「………」


何故だろう。
ほんの1時間前に逢ったばかりなのに。
この少年を放っておく事が…俺には出来なかった。


「………俺が探してやる」


翔「え…?」


「大丈夫だ。翔。俺を信じろ」


真っ直ぐなその大きな瞳を見つめながら俺はそう伝えた。
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