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Starlight Kiss【気象系BL小説】

第8章 tragic love①


ー翔sideー


松岡「ここでいいか」


彼が入ったのは駅の近くにあるビジネスホテル。
かなり年期が入った建物で、客もまばらだった。


でも、いつも路地裏や雑居ビルの階段なんかでやってる俺には高級な場所。


「いいよ」


ベッドでヤれるのはありがたい。


彼がチェックインし、一緒にエレベーターに乗り込んだ。


動いてる間、彼は一言も喋らず真っ直ぐに扉を見つめていた。


本当…良い男。好みだな…。客が皆こんな感じだったら良いのに。
なんて思いながら俺は彼の横顔に見とれていた。


部屋はエレベーターから離れた一番奥の部屋だった。
入るなり彼は、俺の腕を強く引っ張った。


「ちょっ…痛い!」


無表情の彼がそのまま俺をベッドに突き飛ばす。


「いっ…たい。何すんだよ!」


頭を押さえながら顔を上げると、ネクタイを緩めながら俺に近付いてくる男。


無表情なままのその姿に俺は恐怖を感じた。


「ちょっと…何だよお前…」


松岡「黙れよ」


そう言うと俺のシャツを引っ張りいきなり引き裂いた。


「やっ…!」


どうしよう。こいつヤバい。
誰か…!!


「や、止めてっっ!」


松岡「誘ったのお前だろ。金払うから好きにさせろよ」


そしてズボンと下着を一気に降ろされた。


「や、嫌だぁっっ!!ごめんなさい!許してぇっっ!!」


俺が力の限り叫ぶと、奴の動きがピタッと止まる。


「っっ…っく…」


松岡「大人を馬鹿にするとこうなるんだよ坊や。気を付けな」


彼の手が伸び、俺の頭を撫でる。


「ぐすっ…」


松岡「俺は何もしないから。子供に興味ないから」


「………子供じゃない…」


松岡「ん?」


「俺は子供じゃない!馬鹿にするな!」


余裕をかましたその男にムカついた。


松岡「へぇ。じゃあいくつだよ」


「………ハタチ」


松岡「嘘つけ」


「う…」


見抜かれてる…。


「じ、16…」


松岡「はぁ!?クソガキじゃねぇか!お前何やってんだよ馬鹿!」


「ば…」


いきなり怒鳴り出したそいつに俺は唖然となるしかなかった。


松岡「自分の身体大事にしろ!」


「………」


初めて言われたその言葉に俺は…ただそいつに見とれてしまっていた。
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