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Starlight Kiss【気象系BL小説】

第8章 tragic love①


ー松岡sideー


人生最悪の日だと思った。

その日は朝から最悪で。


前日、付き合ってた女にいきなり振られ、バーで浴びる様に酒を飲み、二日酔いになった挙げ句、翌日の大事な会議に遅刻してプレゼン用の書類も無くすという大失態。


次回の会議に出る事を禁じられ、始末書まで書かされるという有り様。


「はぁ~…」


始末書を書き終えたのは深夜を回る時間帯だった。


厄日って本当にあるんだな…。
俺は真っ直ぐに帰宅せずに、帰り道にある公園へと足を運んだ。


少し肌寒い誰も居ない公園。
何となく居心地の良さを感じた俺は暫くの間ベンチに腰掛けぼんやりとしていた。


「男でも…出来たかな」


振られた女の事を考える。


同じ会社の同期だった彼女。
付き合い始めて1年経ったばかりだったのに。

仕事ばかりで構ってやらなかったからかな。


「はぁ…女って面倒くせぇ」


少し寒くなった俺は立ち上がり、目の前の自動販売機でコーヒーを買った。


プルタブを開けようとした時、後ろから声を掛けられる。


少年「おにーさん」


「え?」


振り返るとそこに居たのはまだあどけない、けれど息を飲む程の美少年がにっこりと微笑み掛けていた。


少年「ふふっ、こんばんは」


「………どーも」


何でこんな遅くにガキがこんなとこウロチョロしてんだ。
黙ってそいつを見つめていると、一歩、俺に近付いて来た。


少年「ね、暇?」


「は?」


少年「何処かで遊ばない?俺と」


「………」


からかってんのかこいつ。


「遊ぶってどういう意味だよ」


少年「どういうって…ひとつしかないでしょ?」


そいつが俺の腕に自分の腕を絡ませて来た。


「………いくら」


少年「………こんだけ」


少年は俺に人差し指と中指を立てた。


………ムシャクシャしていた。
厄日だった上に俺の事簡単に落とせると思ってるこのガキの笑顔…。


少年「おっ、と…何処行くの?」


俺は返事をせずにそいつの手を握って公園を後にした。
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