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Starlight Kiss【気象系BL小説】

第1章 出逢い


ー雅紀sideー


「太一先輩まだかなぁ…」


ソファーに腰掛けたまま、俺はぼんやりと太一先輩を待っていた。


結局指名出来なかった俺は、フロントのカウンターでコーヒーを頂く事になった。


延長が無ければ時間は90分。
もうすぐ1時間が経過する。


店長「コーヒーのお代わり大丈夫ですか?」


「あ、大丈夫です。ありがとうございます」


店長「先にお帰りになられるのなら伝えておきますよ」


「いや、話したい事もあるから待ってます。あ、ご迷惑でなければ」


店長「いえ。お客様がよければ好きなだけどうぞ」


「ありがとうございます」


礼儀正しくて気さくな店長。
普通の仕事でも出世しそうなのに何でこんな仕事してるんだろう…。


店長「ショウ。お疲れ様」


ショウという名前に反応した俺は店長が向けた方向に視線を移した。


ショウ「お疲れ様。太一さん来てるんですか?」


店長「ああ。今カズが接客中だ。後30分程で終わりだよ」


ショウ「そっか。じゃあここで待ってます」


そういうとその青年はこちらに向かって歩いて来た。


この人が…ショウ。


多分俺はこの瞬間、恋に落ちた。
人生最初で最後の一目惚れ。


写真とは比べ物にならない…凄く…綺麗だ。


ショウ「いらっしゃいませ。隣…良いですか?」


ぼんやりと見とれていると、いつの間にか彼が目の前に立っていた。


「あ…は、はい」


ショウ「失礼します」


一礼をして彼は俺の隣に座った。
その瞬間、ふんわりと漂うシャンプーの香り。
直ぐに彼の匂いだと気付いた。


ショウ「………お客様…初めてですか?」

「え?」


驚いて振り返るとジッとこちらを見つめるショウさん。


ショウ「すみません。初めて見るお顔だから」


「は、はい…。太一先輩…国分さんの会社の後輩で…。分からずに連れて来られて…」


ショウ「太一さんの知り合いですか?そっかぁ」


にっこりと微笑むその笑顔に、俺の心臓が高鳴った。
男なのに…なんでこんなにドキドキするんだ…。


半ばパニックになりかけた俺は、ただひたすら早く太一先輩の帰りを願っていた。
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