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Starlight Kiss【気象系BL小説】

第4章 ショウの秘密


ショウ「妹が…入院してるんだ」


ぼんやりとテーブルを見つめながらショウさんはゆっくりと語りだした。


ショウ「生まれつき心臓が悪くてさ…拡張型心筋症って知ってる?」


「拡張型…心筋症?」


ショウ「心臓の心室が肥大して上手く血液が遅れなくなる病気だよ。放置すれば心不全起こしてしまったりするんだ」


「心不全…」


ショウ「去年手術したんだよ。バチスタ手術。肥大した部分を切除する手術。成功して今は落ち着いてるんだけど…この病気は移植しないと治らないんだ」


「移植…。でも日本じゃ心臓移植は…」


ショウ「まだ認められていない。だから海外で受ける必要があるんだ。だから…俺にはお金が必要なんだ」


そこまで言い終えた後、ショウさんはお茶を一口飲んだ。


「ショウさん…ショウさんがあそこで働いてる理由って…」


ショウ「………手術代…稼ぐ為だよ。それが無きゃあんな所で働いたりしてない」


「ショウさん…」


ショウ「この事は…一緒に働いてるカズしか知らない。あいつは口悪いけど…本当は優しいし信頼出来る。だからあの時病院で逢ったのも…知られたくなかったからあんな態度取っちゃって…ごめん」


初めて見るショウさんの素の表情。
心の何処かで彼を軽蔑していた自分を恥じた。
身体を売ってお金を稼いでるのも…こんなボロアパートで生活してるのも…全て妹さんの為…。


「手術代って…そんなに掛かるの?」


ショウ「………5000万」


「ご…!?」


ショウ「驚きすぎ」


少しだけショウさんが笑った。


ショウ「海外だと保険利かないから…入院費とか滞在費…諸々含めて最低限それ位は必要」


「………」


ショウ「俺達には親も親戚も居ない。妹は…俺のたった一人の家族なんだ。健康になって…ちゃんとお嫁に出して…幸せになって欲しいんだ。その為だったら俺は…何でもする。男に身体売るなんて…大した事無い」


そう言うショウさんの瞳からは…いつの間にか涙が流れていた。


その瞬間…俺は…堕ちてしまった。


ショウ「っっ…」


俺は彼の手を引き、その腕に抱き寄せた。


「ありがとう…話してくれて」


ショウ「何でだろう…あんたの事…何も知らないのに…あんたの腕の中…あったかくて安心する…」


ショウさんが俺の背中に手を回した。
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