第4章 ショウの秘密
ーショウsideー
「………」
カズ「ショウさん…ショウさん!」
「え?」
カズ「どうしたんすかボーッとして」
顔を上げるとカズが不思議そうに俺の顔を覗き込んでる。
「ご、ごめん…ちょっと考え事してて…」
カズ「まだ着替えないんですか?出勤してきてからかれこれ30分経ちますよ。そろそろ指名入るっすよ」
「そ、そうだね。ありがと」
慌てて着替える俺をカズは黙って見つめていた。
カズ「ショウさん」
「何?」
カズ「恋でもしましたか?」
「ぶはっ!」
カズ「お、図星?」
カズは指を指してケラケラ笑ってる。
「な、何言ってんだよ」
カズ「もしかしてあの相葉とか言う人?」
「はぁ!?」
カズ「マジか…」
俺が…恋?
「違うよ。何で彼に…」
カズ「だって昨日指名来てたでしょ?出て来てから2人の空気が何か変だったし…翔さんあの後直ぐ帰っちゃうし…今日も来てからずっとボーッとしてるし」
「ち、違うよ…」
カズ「因みにどうだったんすか?彼とは昨日」
「いや、まぁ…」
カズ「良かった?駄目だった?」
「その…」
カズ「どしたんすか」
「………してない」
カズ「はぁ!?してない!?」
カズがすっとんきょうな声を上げるもんだかろ慌てて俺はカズの口を押さえた。
「声デカいって!外に聞こえる」
カズ「ふ、ふみまふぇん…」
「………太一さんとの事…話に来ただけだったんだ。ほら、この間暴走したって話したじゃん?あれから彼かなり落ち込んでるんだって」
ゆっくりと手を話すと、彼が静かなトーンで話した。
カズ「そう言えば後輩っつってましたもんね。それにしても…話に来ただけ?だってその為に大金…」
「うん…。その後は…『疲れてるだろうから一緒に寝よう』って…時間まで寝てた」
帰ろうとした彼を俺が引き留めたのはあえて言わなかった。
「それで…起きた後さ…その…キスしちゃって…軽いのだよ?本当、ちゅってするやつ。すぐ離したし…」
慌てて言い訳をする俺を…いつになく真剣な表情でカズは見ていた。
カズ「ショウさん…それ…ただの気紛れじゃなければあんたその人に惚れたんじゃないですか?」