第24章 番外編『大切な妹』
増田「………彼女と逢ったのは…同僚に誘われた飲み会でした。そこに居たのが舞さんで。で…俺は彼女から1番遠い席だったんですけど…」
舞「その話は…」
増田「言わせて?あれが無かったら…今の俺達はないから」
止めようとする舞の手を握り、増田くんは話し続けた。
「お酒も入ってきた位に…仲間内の1人が舞さんを指して言ったんです。『こいつの兄貴ホモなんだよ。男と付き合ってるんだぜ』って。そしたらその隣に居た同僚も…ツッコミを入れ出したんです」
雅紀「………」
増田「そしたら舞さんが…そいつらに…飲んでいたお酒を引っ掻けました。そして言ったんです。『だから何!?私のお兄ちゃんは死ぬ思いで私を育ててくれたのよ。お兄ちゃんの相手もそうよ。2人は私の誇りよ。あんたたちみたいなクズとは違うの!悪く言うのは許さない』って…」
「………舞…」
舞を見ると…頬を赤らめながらうつ向いていた。
増田「………格好いいと思いました。そんな彼女を。見とれてたら…そのまま店を出て行ったんです。慌てて追い掛けました。それで帰りのタクシーの中で色々話して…連絡を取り合う様に…」
「そっか…」
舞が…そんな事を…。
隣を見ると…雅紀が鼻を啜ってるのが見えた。