第23章 番外編『兄ちゃんのお嫁さん』
「それじゃ、お邪魔しました」
翔「また遊びに来てね」
「うん」
翌日。
玄関で靴を履いてから俺は立ち上がる。
雅紀「また後でな」
「………兄ちゃん」
雅紀「うん?」
「………俺も早く…出逢いたいな」
雅紀「何?」
「何でもない。じゃあね。お邪魔しました」
マンションを後にした俺は自宅までの道のりを歩く。
今まで分からなかった。
何で兄ちゃんなのか。
何で翔くんなのか。
何で男なのか。
でも…そんな事関係ないって…建前じゃなくて…本当に分かった気がする。
理屈じゃないんだ。
あの2人は出逢うべくして出逢った。
生涯添い遂げるパートナー。
昨日の翔くんの言葉。
愛し合う2人。
それが物語ってた。
最高の俺の兄ちゃんは最高の伴侶を見つけた。
自慢の2人なんだ。
俺も…早く出逢いたいな。
俺の…俺だけの人に。
まだ見ぬ運命の相手を思い浮かべながら俺は歩いた。
ーTHE ENDー