第22章 番外編『A HAPPY DAY』
ー雅紀sideー
翔「いらっしゃいませー」
お店に翔の声が心地よく響く。
翔が戻ってきて1週間。
店には元の活気が戻ってきた。
父ちゃんも母ちゃんも…祐輔も。
翔が居ない時より元気よく働いてる気がする。
そして誰よりもこの俺が…翔が側に居る事の幸せを感じていた。
「チャーハンとタン麺上がり」
翔「はーい」
翔が厨房に入り俺からチャーハンとタン麺を受け取る。
その一瞬、目を合わせて微笑んだ。
幸せな瞬間。
こんな当たり前の毎日が…本当に幸せだった。
翔「雅紀…雅紀!!」
店から翔の呼ぶ声がする。
その呼び方に何かあったのかと俺は慌ててホールに出た。
そして入口に立つ人を見て…俺は声を上げた。
「た…太一先輩!」
国分「よぉ相葉。元気にしてたか」
「先輩こそ…。一体どうしたんですか急に」
国分「うん。こっちに出張がてらお前に会いにな。翔にも。久し振り」
翔「お久し振りです。お元気そうで」
国分「ああ。相変わらず美人だなー」
翔に近付こうとした太一先輩の前に立つ。
国分「おいおい。何もしないって」
「いや、まぁ反射的に…ははっ」
国分「あのさ…会わせたい人が居るんだ。連れて来ても…いいか?」
翔「え?」
照れ臭そうに頭を掻きながら太一先輩は笑った。
これはまさか…。
「恋人?」
国分「ま、まぁな。最近やっと…OKしてくれてな。ちょっと待ってて」
そういうと店の入口を開け、手招きする。
暫くして遠慮がちに入って来たその人を見て…翔がまた声を上げた。
翔「に…にの!!」
和「どうも…」
再会を喜ぶ3人を俺はぽかんと見つめていた。