第9章 tragic love②
「ただいまー…」
リビングに入ると昌宏さんはソファーで眠っていた。
テーブルにはビールとグラス、お皿がそのまはまになっている。
俺は音を立てない様に、それを静かに片付けた。
松岡「ん…?」
片付けが終わる頃、昌宏さんがゆっくりと目を覚ました。
松岡「………帰ってたのか…」
「うん、ただいま。ごめんね遅くなって。今日お店混んでて…残業してきたんだよ」
松岡「………そっか…」
眠そうな顔で昌宏さんは手を伸ばし、俺を引き寄せた。
松岡「………せめて連絡してくれ。心配すんだろ」
「………ごめんなさい」
昌宏さんの背中に手を回して彼にしがみついた。
ちゅっと唇が触れる。
アルコールの香りが口内に広がる。
松岡「………お仕置きだな」
「え?わわっっ!」
昌宏さんがソファーから立ち上がり、一気にお姫様抱っこされる。
「ま、待ってシャワー…」
松岡「待ってられるか」
「ま、昌宏さん…」
俺はなすすべもなく昌宏さんに寝室へと連れて行かれた。