• テキストサイズ

(HQ) プラトニック・ラブ ─再会─

第1章  再会、そして



 見上げれば摩天楼だった。

 建ちならぶ高層ビルの隙間からは春風。セントラルパークの新芽を、そよりと揺らす。

 小春日和。ニューヨークの朝。
 今となっては見慣れた景色を眺めて、敷きつめられた芝生に腰を下ろした。


「……あれからもう三年、か」


 ひとり。小さく呟く。

 妙に感慨深いのは、今日が彼の誕生日だからなのだろう。

 父親譲りの白い肌に、ゴールドの瞳。
 懸命にゴムボールを追うその背中に、私は、いつしかの兄の姿を重ねていた。

/ 12ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp