第11章 松野家恋愛事情会議(逆ハー)
そう独り言のように呟いて氷で汗のかいたコーヒーを飲んだ。
え…
何でそんなこと聞くの?
トド松「……僕、邪魔?」
一松「いや…そういう訳じゃなくてみんなが○○を好きな理由が聞きたいなぁー…ってさ。」
一松兄さんはクセのついた髪を軽く掻いた。
僕が○○ちゃんを好きな理由?
そんなの、考えたことなかった。
いつの間にか、好きだった。
トド松「なんだろう…優しいし、可愛いし…かな?」
ただ、テキトーに好きでした、は絶対に嫌で○○ちゃんの単純に良かった所を張り付けた。
一松「○○は大好きだけど……ハッキリ言えないよな………」
一松兄さんは、僕が適当に言ったこと、やっぱりバレてる。
一松兄さんもハッキリ言えないんだ。
好きなのに、どうして?
一松「………怒らないの?」
トド松「へ?」
今日は、一松兄さんが良く喋る。
一松「お前が俺なんかに協力したせいで○○と付き合うことになったんだぞ!…いや、俺が勝手に告白して半ば強制に付き合わせたんだけど………」
トド松「うん……そだね、僕は協力したこと、後悔してるよ。多分、一松兄さんが○○ちゃんと付き合っても、兄さん達は無理やりキスしたりするよ。」
一松「………」
これは当たり前だ。
特におそ松兄さん辺りは○○ちゃんにちょっかいだすだろう。嫉妬深いからな、兄さん。
一松「コーヒーごちそうさま。」
一松兄さんは逃げるように部屋から立ち去ろうとした。
トド松「一松兄さん!」
一松「んぁ?」
トド松「付き合うからには、絶対に○○ちゃんを幸せにするんだよ!」
僕が言うと、一松兄さんは当たり前のような顔をしていた。
一松「分かってる。絶対に幸せにする。」
一松兄さんは小さく笑うと、静かに部屋の扉を閉めた。