第8章 偶然(チョロ松)
「楽しかった……ね?チョロ松君」
チョロ松「そうだね、楽しかったね。」
全然楽しくなかった。
チョロ松「僕、家まで送るよ。」
「ありがとう」
棒読みじゃないが、台詞見たいな口調だ。
ぎこちない。
つまんない。
この歩道が、無駄に長い。
黙る。
話さなくちゃいけないのに。
何で鳥の鳴き声すらしないんだ。
歩く。
歩く。
○○ちゃんのマンションについた。
二人で乗るエレベーター。
着いちゃう、○○ちゃんの部屋に着いちゃう。
部屋の前についた。
「チョロ松君今日はありが
チョロ松「○○ちゃん!!!」
僕は○○ちゃんの言葉を遮った。
このままおしまいだなんて、嫌だよ。
チョロ松「今日はごめん……僕のせいで全然楽しくなかったよね。それと、あの時言ったこと…………
本当だったんだ!」
自分でも、驚くほど、素直に言葉が出た。
何故か言った瞬間、何かが抜けて、すっきりした。
「………知ってるよ?」
チョロ松「……」
驚きはしなかった。
あんなこと、信じろと言う方がおかしいから。
チョロ松「別に付き合って下さいとか言ってるんじゃないよ、ただ、僕が○○ちゃんのことを好きなだけでいいか。良いよね?」
私の返事はもう決まっている。
そんな顔をしていた。
「私なんかで良ければ、好きでいて下さい。」
チョロ松「!!!」
○○ちゃんは照れくさそうに僕の理想の返事を返してくれた。
○○ちゃんは今日一番の笑顔だった。
僕は、○○ちゃんの手を繋げた。